野球オーダーユニフォーム 刺繍と昇華の違い 選び方

刺繍と昇華画像

野球ユニフォームのスタイルには昔ながらのMLBのユニフォームのような刺繍加工でマーキングする「刺繍タイプ」
そして、迷彩柄のユニフォームのような生地に柄をプリント加工してマーキングする「昇華タイプ」
この2つのスタイルに分類されています。

近年、華やかなデザインが増えてきておりそういったデザインは全て「昇華タイプ」のユニフォームになっています。
昇華タイプの躍進にはメリットが存在し、求められる理由となっていて
また、刺繍タイプにも根強い人気の理由が存在します。

今回は「刺繍タイプ」と「昇華タイプ」の違いを解説していき
そして、双方のメリットとデメリットを理解したうえで自分に合ったユニフォームの選び方を見つけて欲しいと思います。

刺繍タイプのユニフォームとは

王道シャツ1画像


MLBやNPBで象徴されるシンプルなデザインのユニフォーム。
胸のチームマーキングが刺繍加工されている伝統的な野球を代表するユニフォームスタイルです。


デザインの特長


デザインは伝統を継承し続けているMLBスタイルが代表的です。
MLBスタイルはプロ野球から草野球に至るまで日本の野球界に多大な影響を与えています。
プロ野球を見てきたファンはそのスタイルを野球のスタイルとして認識し深く浸透しています。

ではMLBスタイルの特徴を挙げてみると

①シャツ自体に装飾のデザインはほとんど無い
*唯一、身頃や袖にラインを付けデザインのアクセントになっている

②シャツのカラーはホーム球場用が#ホワイトそしてビジター球場用はグレーなど#ホワイトカラー以外で統一

③胸のチーム名(マーキング)の書体と装飾が凝っている

以上、たった3項目しか挙げられませんでした。
いや、言い方を変えると究極のミニマリズムなデザインなのです。
最小限の表現法でチームの特徴をここまで明確に差別化し表現した素晴らしいデザインです。

*ワックオンでは「王道デザイン」のカテゴリーとしてこのスタイルのデザインラインナップを紹介しております。

デザインカテゴリー




もう一つ刺繍タイプで多く見られるデザインが近年WBCの各代表ユニフォームで多く見られる
発色が鮮やかな配色で構成されたデザインのユニフォームです。
デザイン自体はシンプルながら大胆な配色が華やかな印象です。
大胆な配色使いを除けば前述のMLBスタイル同様に無駄な装飾デザインが無く、マーキングの書体と装飾に凝ったデザインコンセプトは近しいです。

デザインカテゴリー近代




刺繍タイプのメリット


刺繍タイプの作り方は素材を足していくプロセスで成り立ちます。
言い方を変えると、アップリケのように生地やパーツを足して柄を構成していくイメージです。
その為、素材の質感がリアル感として演出され、高級感のあるユニフォームとして仕上がります。

具体的な選定の流れと加工内容を挙げると、
・グリーン色のニット生地を選ぶ
・袖部分はエンジの生地をつなぎ合わせ配色のコントラストをデザインする
・エンジカラーのラインテープ加工の装飾でメリハリを演出する
・デザイン決定しているマーキングを刺繍加工する。


この流れで完成したユニフォームがこちらになります。

生地+生地カラー+配色+ラインなど装飾+マーキング=刺繍ユニフォーム

生地の織目やスポーツユニフォームとしての必要な
・吸水速乾性
・ストレッチ性
上記の機能性を兼ねそろえた生地は上品な風合いでユニフォームの質感を表しています。
ライン加工やマーキング部分は目視からでも立体感が伝わり刺繍のリアル感や糸の深みある光沢感が醸し出され刺繍ユニフォームならではの貫禄と高級感を演出しています。




刺繍タイプのデメリット



その1 デザインの再現性


刺繍タイプのデメリットは野球らしいデザインについては得意分野でありながら他のデザインに対して再現性の制限がある事が挙げられます。
その理由については素材を縫製で縫い繋いでいく加工や刺繍マーキングでの再現性の限界があるからです。
印刷技術で再現されるようなグラフィックデザインは不可能だと言う事です。



その2 素肌に直接は着心地が良くない


基本野球ユニフォームはインナーを着たうえで着用します。しかし中には「直着派」を好む方々がいるかもしれません。
その際、生地の裏側に刺繍加工跡がありチクチクしてしまう場合がありますので着心地はあまりおススメできません。
必ずインナーシャツを着用の上、ユニフォームを着て頂くことをおススメします。





次は昇華ユニフォームの解説です。



昇華タイプとは

昇華シャツ画像


全面柄やグラフィックなデザインの再現が可能なプリント加工のユニフォームです。
様々な生地、そしてデザインの再現性に長けた昇華プリントの技術は他の競技ユニフォームでも多く採用されており現代におけるスポーツユニフォームを席巻しています。



デザインの特長


昇華タイプの大きな特徴はデザインの制限がなくほとんどのデザインを再現する事が可能です。
前述でも記した全面柄や迷彩柄、そしてグラデーションなどデザインの制限がなく再現が可能です。



昇華タイプのメリット


昇華タイプのメリットは3つ


①生地に直接プリントをするのでデザインの制限がほとんど無く、あらゆるデザインを再現する事が可能。

②特殊なプリント加工により生地の機能性(吸水速乾性)を損なうことなく軽量であること。

③どこに何カ所でもマーキングを入れても価格に一切影響しない一定額のコストパフォーマンス。

現代スポーツユニフォームを席巻している理由はメリット尽くしの加工スタイルです。



昇華のデメリット


一見メリット尽くしと思われる昇華タイプではありますが、
野球ユニフォームに限って挙げるとすれば
刺繍と比べ「質感が物足りない」「作りが安っぽい」「野球感が感じられない」

このような刺繍と比べた際の質感の物足りなさが理由の多くを占めています。
野球は歴史ある伝統のスポーツなので野球らしさを好む派から見ると物足りなさを感じるのかもしれません。








刺繍と昇華ユニフォームを見比べてみる


今回、同じデザインのユニフォームを刺繍加工と昇華加工でそれぞれ作り分けてみました。
同じデザインのユニフォームを加工スタイルが違うとどこまで見え方が異なってくるのか実際に見比べてみましょう!

まず、遠目からだと同じデザインなので大きく違いは見受けられません。
ちなみに着心地を比べたところ同じ生地でも刺繍マーキングが付いていない分、昇華タイプの方が軽量感を感じました。
しかし手にした時の刺繍マーキングの質感は、好きならばたまらない仕上がり感です。

マーキングのアップを見比べる


接写で見ると刺繍マーキングとプリントの違いは立体感が異なり一目瞭然です。
遠目から見た昇華プリントは接写で見るとやはり平面的で刺繍方が立体感があり高級感は勝ります。
しかし、昇華タイプは平面であるが同時に軽快感やカジュアル感を演出できると捉える事もできるのではないでしょうか。


アクセントのラインテープを見比べる

ラインテープ比較画像

マーキング同様、接写で見比べると刺繍タイプは生地の上に後加工で縫付けたラインテープの立体感がリアルに伝わり高級感があります。

生地の風合いを見比べる

クールナイン 比較


こちらは刺繍タイプと昇華タイプの両方対応できる生地「クールナイン」の表面接写です。
右が先染め規格で刺繍タイプに使われている生地表面です。
左はクールナインに昇華プリント加工を施した生地表面です。

同じ生地でありますが昇華プリントを加工する際に高温で圧力をかける為
表面の表情が多少変化します。
決して、生地の性質を損ったわけではありません。






今まで刺繍タイプとは?
刺繍タイプのメリットとデメリットの解説

そして昇華タイプとは?
刺繍タイプのメリットとデメリットの解説

それぞれの内容を理解したうえで実際に刺繍タイプと昇華タイプのユニフォームを見比べてみました。

では、上記を踏まえて最終的に刺繍タイプのユニフォームを選んだ方の理由とはどこが決め手だったのでしょうか?
そして同じく昇華タイプのユニフォームを選んだ決め手とは?



刺繍ユニフォームを選ぶ理由



・「野球らしい」ユニフォームを着たい野球チーム

・プロ野球と同じ仕様で本物感のユニフォームを着てみたい

・憧れの刺繍マーキングで加工した高級感たっぷりのユニフォームに憧れていた

野球をやるなら憧れの刺繍ユニフォームを着たい
野球と言ったらこの仕様以外は考えていなかった
刺繍タイプは高級感があって憧れ
部活時代から来ていたユニフォームは刺繍タイプだったから
etc
理由の多くは「野球と言えば刺繍タイプ」と言うように野球らしさの憧れや思いが理由になっているケースが多く 「初めから刺繍タイプと決めていた」そんな愛着の熱量が高かったり
ノスタルジックな野球への思いがあるユーザーが多いようです。







昇華タイプを選ぶ理由



・迷彩などのカジュアルなデザインのユニフォームを希望しているチーム

・背番号以外に前番号や袖にマーキングを沢山付けたい、でも価格は抑えたくできれば価格は変わらず据え置きが希望の価格重視なチーム

・野球ユニフォームの概念に縛られないサッカーなどのような別競技の世界観のようなユニフォームを試したい独創的なユニフォームを作りたいチーム

など、創作的なデザインやカジュアルなグラフィックデザインのユニフォームスタイルを好むチーム
そしてコストパフォーマンスの魅力など合理的な理由のチームとなりました。







刺繍タイプを好む方
昇華タイプを好み方

選ぶ理由は好みもあればデザイン重視であったり価格であったり様々です。

もし、まだどちらの仕様にするか迷っている段階のチームの方がこのコラムを見てどちらを選定するかのきっかけになれたら嬉しいです!