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イップスの注意点を徹底解説 イップスになりやすい人とタイミング

イップスとは、心理的な原因によって生じる運動障害のことを指します。
主に、スポーツにおいてみられることが多く、突然身体を思うように動かせなくなります。

競技者であればイップスを経験したことがある人も少なくなく、スポーツ選手にとって深刻な問題であると認識されています。

前回の記事ではイップスの基本的な原因や克服法を紹介しましたが、今回はさらに踏み込んで、具体的な発症のタイミングや性格的な要因、専門家の見解を交えながら、イップスについて詳しく探っていきます。

イップスを知り、理解が進むきっかけとなれば幸いです。

「イップスってそもそも何?という方は、ぜひ前回の記事もチェックしてみてください!

イップスとは|Yakyu-Dachi | すべての人にワクワクを。お役立ち草野球メディア

イップスになりやすいタイミングはプレッシャーが大きい場面

イップスは、特にプレッシャーのかかる重要な試合や場面で発症しやすいといわれています。

勝敗を決める瞬間や試合の流れを左右する場面でのミスが大きなプレッシャーとなり、思うように体が動かなくなることがあります。
「失敗してはいけない」というプレッシャーがかかることで、緊張して動作がぎこちなくなり、結果的にイップスを引き起こすことにつながります。

過去の失敗体験が引き金に

また、過去に重大なミスを経験していると、その記憶がトラウマとなり、同じシチュエーションでイップスを発症することがあります。

大事な試合や勝負の瞬間に失敗をしてしまったり、怪我をさせてしまったなど、精神的ショックが同じ場面になるとよみがえり、緊張や不安が増幅して体の動きを制限する結果を招いてしまいます。

このような心理的な影響が、イップスの発症に大きく関係していると考えられていますが、医学的な根拠はありません。
今後、研究が進み医学的なアプローチで解明されることを期待したいですね。

監督やコーチからの過度な期待や指導

選手が指導者やチームメートなど周りから過度な期待を受けると、そのプレッシャーがイップスの引き金になることもあります。
指導者の厳しい指導やチームを代表して結果を出さなければならないという意識が強くなりすぎると、自然な動作が難しくなります。

特に、若い選手やジュニア選手は指導者など自分より立場が上の人の影響を受けやすい傾向にあります。
周囲の期待に応えようとするあまり、自分のキャパシティを超えて一生懸命になりがちなので注意が必要でしょう。

専門家から見たイップスのメカニズムと対策

ジストニアという症例に分類

イップスという言葉は広く知れ渡っていると思いますが、医学的にはジストニアという症例に近いとされています。
ジストニアとは、骨や筋肉に異常がないにも関わらず、筋肉がこわばって思うように動かなくなる運動障害のことを指します。

その中でも、イップスは職業性ジストニアと呼ばれるものとほぼ同義で考えられています。
職業性ジストニアは、特定の環境下で同じ動作を繰り返すことで生じるジストニアを指します。

身体的特徴として、ふるえや麻痺、硬直、ひきつけなどの運動障害が生じます。
無意識に身体の一部や全身が以上に緊張してスムーズな動作ができなくなってしまいます。

脳の制御システムの異常

ジストニアの原因は、脳の中枢神経系にあるとされています。

筋肉の動きは、大脳基底核によって調整された信号が大脳皮質に伝達されることでスムーズな動きができるように制御されています。
そこに何らかの異常が出現し、制御できない動きとして症状が出現すると考えられているのです。
ただ、明らかになっていないことも多く、今後研究が進んでいくことを期待したいですね。

ジストニアの治療手段としては、内服治療が最も多いようですが、ジストニアに効能・効果がある内服薬があるわけではないようです。
さまざまな治療法を組み合わせながら、治療を行っていくようです。

イップスと症状が類似しているジストニアに対しては、有効療法があるとされているので、イップスで悩んでいる人は医療機関で症状を見てもらうのも解決の糸口になるかもしれませんね。

心理的な要因も大きい

イップスの発症原因として、心理的な要因も大きいといえます。
医学的な根拠ははっきりとはしていませんが、多くの場合で、発症にいたるまでに何らかのプレッシャーやトラウマなど精神的なものが関係しています。

たとえば、プレッシャーがかかる場面では、選手が失敗を恐れるあまり、通常では無意識にできる動作に過度な注意を払い過ぎてしまい、結果として動きがぎこちなくなることがあると思います。
始めは些細なミスだったものが、それを思い返すことでまた同じようになるのではないかという不安に陥り、それを繰り返すうちに同じような場面で強く反応するようになっていきます。
そして、当たり前にできていたことができなくなるといった悪循環に陥り、イップスへとつながっていくとも考えられています。

自分で対策できる方法としては、リラックスできる方法やルーチンを取り入れて、プレー前に精神的な安定を図ると良いでしょう。
また、自分の中だけで解決することが難しい場合は、専門家にリラクゼーションを目的としたメンタルトレーニングも行ってもらう方法もあるようです。

【参考】
イップスとは?スポーツにおける症状、原因、治療法を解説 | ブレインクリニック

ジストニア診療ガイドライン2018|ガイドライン|日本神経学会

【精神科医が解説】スポーツ選手を悩ますイップスの症状とは?薬に頼らない治療法についても解説 | 東京横浜TMSクリニック

イップスに苦しんだ有名選手たちのエピソード

イップスは特にスポーツ競技において見られることが多い症状ですが、近年そのスポーツ競技の中でも、ゴルフや野球、アーチェリーなどターゲット型のパフォーマンスが必要とされる競技においてみられることが多いということが分かってきました。

ここでは、野球選手に絞って紹介していきたいと思います。

【参考】
hues0401.pdf

藤浪晋太郎投手:プロ数年後に制球力が崩れる

元阪神タイガースの藤浪晋太郎投手は、イップスに悩まされた選手です。

彼は、プロ入り当初から期待の若手投手として注目されていましたが、数年後、制球力が大きく崩れ、ストライクゾーンに投げられなくなるという深刻な問題に直面しました。
打者の頭部付近への危険な投球が続くようになり、精神的な負担がますます大きくなりました。

藤浪選手は、フォームを見直すトレーニングやメンタルトレーニングなどあらゆる解決策を模索しているようです。
彼の姿勢は、多くの選手に勇気を与えてくれるでしょう。

【参考】
藤浪晋太郎、課題の制球難語る「オレはイップスなんや、オレはイップスやから…それは逃げ道」 - プロ野球 : 日刊スポーツ

イチロー選手:高校時代にボールが投げられなくなる

日米で活躍したイチロー選手も、高校時代にイップスを経験した選手の一人です。

2016年放送のテレビ番組のインタビューで、投手から野手転向した理由について語っている時にイップスであったと告白しています。

イチロー選手は打者としてとても有名ですが、高校時代は投手として活躍していました。
高校2年生の時に迎えたある試合で突然ボールを投げることができなくなり、思い通りのプレーができなくなったそうです。
そして、その後プロになってから数年間もイップスの症状が続いていたそうです。

イップスになった理由としては、テレビ番組内で当時の先輩、後輩関係によるプレッシャーだったと語られていました。
また、その後ウェブマガジンで語られたインタビュー記事では、投げ方のくせとそれによる事故がきっかけとも語られています。

そんなイチロー選手が、インタビューの中でイップスを克服した方法を「センス」「努力ではどうにもならない」と答えられていたのが印象的です。

この経験は彼にとって大きな挫折であったとは思いますが、その苦しさを支えにし、徹底した練習や精神的な成長もあったからこそセンスが磨かれたのではないでしょうか。
イップスそのものに直接向き合って克服のための努力をするだけではなく、少し違う角度から、コツや感覚として身に着けていく、イチロー選手らしい克服方法かもしれません。

【参考】
「イップス」になりやすい人とは?イチローも経験、克服に掛かった時間は? | 野球 | スポーツブル (スポブル)

イチロー氏が語る"イップス"に悩んだ過去 甲子園登板も「ピッチングになってない」 | Full-Count


福谷浩司投手:「認めること」でイップスと向き合う

現在、中日ドラゴンズで活躍する福谷浩司投手は今から10年程前、ボールが滑る感覚に悩まされ、次第にボールが制御できなくなったそうです。
その後、書籍を読み自分がイップスであると自覚したそうです。

福谷選手のイップスのきっかけは、中学時代の悪送球がチームメイトに当たってしまい大ケガをさせたことへと遡ります。
その小さなイップスの芽が、プロの世界で重要な場面を任せられるたびに大きくなり、そのプレッシャーから恐怖心が広がっていったと振り返っています。

2020年頃から復活を遂げてはいるが、福谷投手自身はイップスが治ったとの実感はないのだそうです。
心や体について勉強をし、色々なことを試してみる、その積み重ねがあるから今の自分があると語っています。

イップスを「認めること」が改善の第一歩につながったのではないでしょうか。

【参考】
改善の第一歩は「認める」ことーー「原因不明」のイップスに、医科学的エビデンスで挑む(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)

イップスになりやすい人の特徴

完璧主義な人

イップスは、完璧主義な性格の人に多くみられるといわれています。

このタイプの人は、自分に高い期待をもち、常に完璧なパフォーマンスを追求します。
しかし、試合や練習で小さなミスをした際に、自分のことを許せず、過度に自分を責めてしまいます。
また、完璧を求めるあまりプレッシャーや不安が増し、結果として思うように体が動かなくなるという悪循環に陥りやすくなるのです。

特に、失敗を恐れる気持ちが強くなると、自然なプレーができなくなり、イップスを引き起こすリスクが高まってしまいす。

内向的で自信が持てない人

内向的で自信がもてない人も、イップスになりやすい傾向があるといわれています。

このタイプの人は、周囲からの期待や評価を過度に気にすることが多く、他人の目を気にしがちです。
特に、周りから注目されたりプレッシャーのかかる場面で強い不安を感じやすいです。

自分のミスに対しても非常に敏感であり、失敗がトラウマになりやすいことから、同じ状況に直面したときに恐怖心が強くなることがあります。
その恐怖から身体が緊張し、自由に動けなくなってしまうことで、イップスを引き起こしやすくなってしまいます。

外向的で責任感のある人も注意が必要

反対に、外交的な人も注意が必要な場合があります。
一見、外向的な人はイップスと無縁に思えますが、実はイップスになりやすい側面もあります。

なぜなら、外向的な性格の人は周囲から注目されることが多いからです。
その注目がプレッシャーになり、大きな試合や注目を集める場面でのミスが、イップス発症の引き金になることがあるのです。

また、その中でも責任感の強い人ほど、責任を果たせないことで自分の失敗を許せなくなってしまいます。
結果として、それがパフォーマンスに影響を与えるケースがあるので注意が必要かもしれませんね。

身体的な要因によるイップス

間違ったフォームや筋肉の使い方が引き金に

イップスの原因として、精神的な要因が大きいとされていますが、身体的な要因も無視できません。

特に長期間にわたって誤ったフォームや筋肉の使い方を続けると、それが習慣化してしまい、正しい動作ができなくなることがあります。
先ほど紹介したイチロー選手のインタビュー記事にもイップスの原因の一つとして間違ったフォームのクセだとありましたね。

たとえば、ピッチャーが肩や肘に負担のかかるフォームを続けていると、身体が無意識にその動作を拒むようになり、イップスのような症状が現れることがあります。
このような場合は、フォームを改めて見直し、正しい動作に戻すことも必要でしょう。

筋肉の疲労や過剰な練習が影響する

筋肉の疲労もイップスを引き起こす要因となり得ます。

長時間の練習や試合で筋肉に負担がかかり続けると、筋肉が硬直し、自由に動かせなくなることがあります。
特に肩や肘、手首など、細かい動作が要求される部分に疲労が蓄積すると、無意識に動作を制限してしまい、これがイップスの引き金となることがあります。

また、過度な練習にも注意が必要です。
海外の調査などでは、練習量が豊富で経験の長いプレーヤーがイップスになりやすい傾向が報告されているそうです。
長い間同じ動きや運動を繰り返すことで、イップスを引き起こす可能性があります。

身体的なリラクゼーションや適切な休養を取ることが大切ですね。
筋肉をリラックスさせるストレッチやマッサージも効果的でしょう。

【参考】
プロ選手・演奏家、突然手が動かなく イップスを知る イップス 脳内伝達に原因? - 日本経済新聞

まとめ

イップスは、誰にでも発症する可能性があり、多くの人が悩んでいる問題です。
特に、スポーツ競技をしている人は、イップス経験者も少なくないのではないでしょうか。

以前は、イップスと聞くとネガティブなイメージが先行して、周りに相談できず一人で抱えこむ人も多かったようですが、最近では、有名なスポーツ選手が公表したりと認知も広まり相談できる機会や場所も多くなってきたように感じます。
また、数年前に広辞苑に「イップス」が追加され、新聞や情報番組、TVドラマで取り扱われるなど世間でも広く認知されるようになってきました。

しかし、イップスの原因や治療法については解明できていないことも多く、心理的要因と身体的要因も絡んでおり、とても複雑な問題なのには変わりはありません。

克服方法も人それぞれではありますが、まずはイップスを認めること、そして周囲に相談し、理解と協力を得ることが大切です。
イップスについて正しく理解し、自分自身の性格や環境に応じて、体のバランスを整えリラックスできる環境づくりをしていきましょう。

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